一条工務店の坪単価は84~92万円が相場で、商品別では**ハグミー(50万円台)からグランスマート(75~90万円)**まで幅広いラインナップを展開。アンケート結果による平均坪単価は約84~92万円となっており、高性能住宅としてはコストパフォーマンスに優れています。
注文住宅を検討中の方にとって、一条工務店の坪単価は重要な判断材料の一つです。本記事では、最新の市場調査データと実際の建築事例をもとに、一条工務店の坪単価について詳しく解説します。
一条工務店とは?業界最高クラスの性能を誇るハウスメーカー
一条工務店は「家は、性能。」をコンセプトに、住宅性能を重視した家づくりを行うハウスメーカーです。2023年には、「年間で最も売れている注文住宅会社」「年間で最も多くの太陽光搭載住宅を建てた会社」「最大の工業化住宅工場」の3部門で、5年連続ギネス世界記録™に認定されており、業界での地位を確立しています。
一条工務店の主な特徴
- 業界トップクラスの断熱性能:外壁に高性能ウレタンフォーム190mm採用
- 全棟気密測定実施:高い気密性能を担保
- 自社工場による品質管理:窓やドアなどの主要部材を自社生産
- 標準仕様の充実:全館床暖房や太陽光発電システムが標準装備
【2025年最新】一条工務店の坪単価相場
全体の坪単価相場
マイナビニュース不動産査定ガイド運営がおこなったアンケートによると、一条工務店の最新坪単価の平均は84万円でした。また、オプションを含めた坪単価は、平均約92万円という調査結果もあります。
坪単価の種類 | 金額 |
---|---|
本体価格のみ | 約84万円 |
オプション込み | 約92万円 |
実際の建築事例 | 79~112万円 |
坪数別の建築費用目安
30坪から40坪の一般的な住宅規模での建築費用は以下の通りです:
坪数 | 建物本体価格(84万円/坪) | 総額目安(諸費用込み) |
---|---|---|
30坪 | 2,520万円 | 3,000~3,500万円 |
35坪 | 2,940万円 | 3,500~4,000万円 |
40坪 | 3,360万円 | 4,000~4,500万円 |
重要な注意点:坪単価は建物本体価格のみを表す指標のため、実際の建築には別途、付帯工事費(300~500万円)、諸費用(200~300万円)、外構工事費(100~300万円)が必要です。
商品別坪単価ランキング【2025年最新版】
一条工務店は豊富な商品ラインナップを展開しており、商品によって坪単価が大きく異なります。
1位:グランスマート(GRAND SMART)
坪単価:75~90万円
一条工務店の最上位モデルであるGRAND SMARTは、坪単価75〜90万円の価格帯に設定されています。高級路線の商品だけに、断熱性能やデザイン性において最高レベルの仕様となっています。
主な特徴:
- 断熱等級7を実現する内外ダブル断熱工法
- 業界最高クラスの性能と上質なデザインの融合
- 標準仕様で特注床材や全館床暖房システムを装備
2位:グランセゾン(GRAND SAISON)
坪単価:70~80万円
GRAND SAISONは、坪単価70〜80万円で提供される上位グレードモデルです。2×6工法をベースにした高い構造性能に加え、全館空調や床暖房など、快適な住環境を実現する設備が標準で搭載されています。
主な特徴:
- 欧風デザインに特化した高級感のある外観
- 耐震等級4相当の耐震性
- 独自のシート技術による高品質な床材
3位:アイスマート(i-smart)
坪単価:60~80万円
アイ・スマート(i-smart)は、一条工務店の中で最も人気のある商品です。それだけではなく、大手住宅メーカー「商品別販売棟数」で8年連続1位を獲得している人気商品です。
主な特徴:
- 性能と価格のバランスが取れたスタンダードモデル
- 全館床暖房システムが標準装備
- 2×6工法による高い構造性能
4位:アイキューブ(i-cube)
坪単価:50~65万円
i-cubeは、坪単価50~65万円とエントリーモデルに位置づけられていますが、一条工務店の基本性能は確実に受け継いでいます。
主な特徴:
- コストパフォーマンス重視のエントリーモデル
- 2×6工法による高い耐震性能
- 全棟気密測定実施
5位:アイスマイル(i-smile)
坪単価:45~65万円
アイスマイル(i-smile)は、自由設計ではなくプラン選択型の商品です。一条工務店の高性能さはそのままに、価格を大きく抑えられるため人気が高まっています。
主な特徴:
- 約4,000プランから選択する規格住宅
- 打合せコストを削減し価格を抑制
- 一条工務店の高性能をリーズナブルに実現
6位:ハグミー(HUGme)
坪単価:45~55万円
ハグミーは、用意された100プランから間取りを選ぶ規格型住宅です。一条工務店の中で最も坪単価が安く建てられる商品となります。
主な特徴:
- 一条工務店で最もリーズナブルな価格設定
- 100の厳選プランから選択
- 高性能を格安で手に入れたい方におすすめ
他社ハウスメーカーとの坪単価比較
一条工務店の坪単価を他の大手ハウスメーカーと比較すると、以下のような位置づけになります:
ハウスメーカー | 坪単価相場 | 特徴 |
---|---|---|
積水ハウス | 90~120万円 | 高級住宅の代表格 |
住友林業 | 85~110万円 | 木造建築のトップブランド |
ダイワハウス | 80~110万円 | 鉄骨造・木造両方に対応 |
一条工務店 | 84~92万円 | 高性能住宅のコスパリーダー |
セキスイハイム | 80~100万円 | ユニット工法による品質安定 |
ミサワホーム | 75~95万円 | 蔵のある家で有名 |
一条工務店は、ミドルコスト寄りのハイグレード住宅を主力商品とするハウスメーカーで、国内でもトップクラスの実用性・機能性の高さと建築実績を誇ります。
坪単価に含まれるもの・含まれないもの
坪単価に含まれるもの(標準仕様)
一条工務店の坪単価には、他社ではオプション扱いとなることが多い高性能設備が標準で含まれています:
構造・性能面
- 2×6工法による高い構造性能
- 高性能ウレタンフォーム断熱材
- トリプル樹脂サッシ(3枚ガラス)
- 全棟気密測定
設備面
- 全館床暖房システム
- 高効率換気システム
- 太陽光発電システム(商品により異なる)
- 一条工務店オリジナル住宅設備
坪単価に含まれないもの
以下の費用は坪単価とは別に必要となります:
付帯工事費(300~500万円)
- 地盤改良工事
- 給排水引込工事
- 電気引込工事
- 空調工事
諸費用(200~300万円)
- 建築確認申請費用
- 住宅ローン手数料
- 火災保険料
- 登記費用
その他の費用
- 土地代
- 外構工事費(100~300万円)
- 家具・家電費用
- 引越し費用
実際の建築事例と総額公開
実際に一条工務店で建築した方の事例をご紹介します:
事例1:アイスマート 31坪の場合
- 商品:アイスマート
- 延床面積:31坪
- 坪単価:93万円
- 本体工事費:2,900万円
- 総額:5,100万円(土地代含む)
事例2:アイキューブ 33.56坪の場合
- 商品:アイキューブ
- 延床面積:33.56坪
- 坪単価:95.4万円
- 本体工事費:3,203万円
事例3:セゾンAタイプ 53.5坪の場合
- 商品:セゾンAタイプ
- 延床面積:53.5坪
- 坪単価:50万円
- 建物本体:2,500万円
- 総額:4,050万円(土地代1,550万円含む)
これらの事例から分かるように、同じ一条工務店でも商品や仕様によって坪単価は大きく変わります。
一条工務店の坪単価が高い理由
1. 標準仕様の充実
一条工務店の家の標準仕様には、「全館床暖房」「トリプル樹脂サッシ」「高効率換気システム」「太陽光発電システム」など、高性能な設備が含まれています。これらは他社ではオプション扱いとなることが多く、総額で比較すると一条工務店の方がお得になるケースも多いです。
2. 自社工場による高品質な部材
一条工務店は窓やドアなどの主要部材を自社工場で生産しており、品質管理を徹底しています。この工業化住宅のメリットが価格に反映されています。
3. 業界最高レベルの住宅性能
一条工務店でもっとも断熱性能が高い「アイスマート」「グランスマート」という商品は、外壁に高性能ウレタンフォームを計190mm採用しており、「真冬にTシャツ1枚でも快適」というレベルの高性能を実現しています。
4. 長期的なランニングコスト削減
高断熱・高気密により光熱費を大幅に削減でき、一条工務店の家はランニングコストが低くなることから、ファイナンシャルプランナーにライフプランの作成を依頼し、光熱費のトータルコストも踏まえて検討することが重要です。
坪単価を抑える5つのコツ
1. 標準仕様を最大限活用する
標準仕様の内容をしっかり確認し、本当に必要なものだけを選択するようにしましょう。一条工務店の標準仕様は他社のオプション級の充実度があるため、無理にオプションを追加する必要がないケースも多いです。
2. シンプルな間取りにする
家の間取りが複雑になると、壁や屋根の面積が増え、材料費や施工費がかさみます。できるだけシンプルな形状の間取りにすることで、建築コストを抑え、坪単価を下げることが可能です。
3. 商品グレードを検討する
予算に応じて、グランスマートからアイキューブやハグミーへのグレード変更を検討しましょう。性能面での大きな差は少なく、コストを大幅に抑えられます。
4. 規格住宅を選択する
注文住宅よりも規格住宅の方が、坪単価を抑えやすい傾向があります。間取りや設計の自由度は限られますが、コストを抑えつつ高性能な住宅を建てることができます。
5. 早期契約で価格を固定する
一条工務店に限らず、ハウスメーカーの坪単価は年々上昇傾向にあります。建材費や人件費の高騰、商品仕様の変更などによって月ごとに坪単価が見直されています。坪単価は契約時点で確約できますので、値上げ前に契約することで、コストを抑えることができます。
2025年の値上げ動向と今後の見通し
継続的な坪単価上昇
一条工務店の主力商品「アイスマート」の坪単価の推移は、2011年:約52万円、2018年:約57万円、2021年:約67万円、2022年:約70万円、2023年:約73万円といった具合で年々上昇しています。
値上げの主な要因
- 建材費の高騰:ウッドショックの影響による木材価格上昇
- 人件費の増加:建築業界の人手不足による労務費上昇
- エネルギーコストの上昇:電気代・燃料費の値上がり
- 円安の影響:輸入建材のコスト増
対策方法
一条工務店では仮契約した時点で、坪単価やキャンペーン内容が固定されます。そのため、契約後に値上げされることはありません。一条工務店での建築を検討している場合は、早期の仮契約がコスト削減につながります。
一条工務店を選ぶべき人・避けるべき人
一条工務店を選ぶべき人
性能重視の方
- 高断熱・高気密の住宅を求める方
- 光熱費を長期的に削減したい方
- 全館床暖房で快適な住環境を実現したい方
コストパフォーマンス重視の方
- 標準仕様の充実度を重視する方
- オプション費用を抑えたい方
- 長期的なランニングコストを考慮する方
安心・信頼性を求める方
- 大手ハウスメーカーの実績を重視する方
- アフターサービスの充実を求める方
- 工業化住宅の品質安定性を評価する方
避けた方が良い人
デザイン重視の方
一条工務店は性能重視のため、デザインの自由度は他社と比較して限定的です。個性的な外観や間取りを求める方には不向きかもしれません。
予算を最優先する方
ローコスト住宅と比較すると坪単価は高めのため、とにかく安く建てたい方には不向きです。
自由設計にこだわる方
規格住宅が多いため、完全自由設計を求める方には制約を感じる可能性があります。
一条工務店で後悔しないための注意点
1. 総額での予算計画を立てる
坪単価とはあくまでも本体価格をベースとした指標です。そのため、資金計画を立てる際には付帯設備や諸費用、土地にかかる費用の全てを考慮した総額で予算を考えるべきです。
2. 他社との比較検討を必ず行う
坪単価だけでなく、標準仕様の内容、アフターサービス、担当者の対応なども含めて総合的に判断しましょう。
3. 将来のメンテナンス費用も考慮する
一条工務店の外壁タイルは耐久性が高くメンテナンス費用を抑えられますが、設備の交換時期や費用も事前に確認しておきましょう。
4. 土地探しから始める場合の仮契約活用
土地が決まっていない場合も、一条工務店独自の「仮契約」というシステムで坪単価を確約できます。価格上昇前に契約を固定できるメリットがあります。
まとめ:一条工務店の坪単価は高性能住宅としてはコスパ優秀
一条工務店の坪単価は84~92万円と、大手ハウスメーカーの中では中位に位置しますが、標準仕様の充実度と住宅性能を考慮すると、非常にコストパフォーマンスに優れています。
重要なポイント
- 坪単価は商品によって大きく異なる:ハグミー(50万円台)からグランスマート(90万円台)まで幅広い選択肢
- 標準仕様が充実:他社ではオプションとなる設備が標準装備
- 継続的な価格上昇:早期契約で価格固定が可能
- 長期的なランニングコスト削減:高性能による光熱費削減効果
住宅は一生に一度の大きな買い物です。坪単価だけでなく、総額での予算計画、長期的なランニングコスト、住宅性能、アフターサービスなどを総合的に検討して、後悔のない家づくりを実現してください。
一条工務店を検討している方は、まず展示場見学で実際の性能を体感し、複数の商品を比較検討することをおすすめします。また、他社との相見積もりも必ず取って、最適な選択をしましょう。