ヘーベルハウス完全ガイド【2025年最新版】注文住宅購入前に知っておくべき全知識

注文住宅を検討している方なら、一度は耳にしたことがあるであろう「ヘーベルハウス」。旭化成ホームズが手がけるこの住宅ブランドは、独自の技術と長期保証で多くの住宅購入者に選ばれています。

本記事では、ヘーベルハウスの特徴から価格、メリット・デメリット、実際の口コミまで、注文住宅購入を検討する方が知っておくべき情報を網羅的に解説します。

ヘーベルハウスとは？基本情報と特徴
1. 会社概要
2. ヘーベルハウスの最大の特徴
ヘーベルハウスの坪単価と価格帯
商品ラインナップと構造の特徴
1. 構造体の種類
  1. 1. ハイパワード制震ALC構造（2階建て）
  2. 2. 重鉄制震・システムラーメン構造（3階建て以上）
2. 主要商品ラインナップ
標準仕様と設備
60年保証とアフターサービス
メリット・デメリット
1. ヘーベルハウスの主なメリット
2. ヘーベルハウスの主なデメリット
口コミ・評判
1. 良い口コミ・評判
2. 悪い口コミ・評判
向いている人・向いていない人
1. ヘーベルハウスが向いている人
2. ヘーベルハウスが向いていない人
他社との比較
ヘーベルハウス建築時の注意点
まとめ

ヘーベルハウスとは？基本情報と特徴

会社概要

ヘーベルハウスは、旭化成ホームズ株式会社が展開する戸建て住宅ブランドです。1972年に誕生して以来、50年以上にわたって「ロングライフ住宅」の理念のもと、耐久性と居住性に優れた住宅を提供し続けています。

基本情報

運営会社：旭化成ホームズ株式会社（旭化成グループ）
設立：1972年11月
本社：東京都千代田区神田神保町1-105
展開エリア：首都圏、関西圏、中部圏、山陽圏など都市部中心

ヘーベルハウスの最大の特徴

ヘーベルハウスの名称は、外壁材として使用される「ヘーベル板（ALCコンクリート）」に由来します。この軽量気泡コンクリートが、ヘーベルハウスの家づくりの核となっています。

「ロングライフ住宅」の理念

ヘーベルハウスが目指すのは、3世代が100年にわたって住み続けられる住宅です。従来の「古くなったら建て替える」という日本の住宅事情に対し、ヨーロッパ式の長期居住を可能にする住宅を提案しています。

ヘーベルハウスの坪単価と価格帯

2025年最新の坪単価相場

ヘーベルハウスの平均坪単価は93.5万円～101万円となっており、大手ハウスメーカーの中でも高価格帯に位置します。

坪単価の幅

最低価格帯：70万円～（規格型住宅「myDESSIN」）
標準価格帯：80万円～120万円
最高価格帯：150万円～（「RAUMFLEX」などの最上級モデル）

建築費用の目安

坪数別建築費用の目安

坪数	本体価格目安	総額目安（付帯工事等込み）
30坪	2,800万円～3,600万円	3,500万円～4,500万円
35坪	3,300万円～4,200万円	4,100万円～5,300万円
40坪	3,700万円～4,800万円	4,600万円～6,000万円

価格に影響する要因

構造の違い：重量鉄骨造は軽量鉄骨造より10万円～30万円/坪高い
商品シリーズ：グレードにより大きく価格が変動
オプション：設備や仕様のアップグレードによる追加費用
敷地条件：狭小地や変形地では設計・施工費が増加

他社との価格比較

大手ハウスメーカー坪単価比較

ハウスメーカー	平均坪単価
ヘーベルハウス	93.5万円～101万円
積水ハウス	80万円～120万円
パナソニックホームズ	70万円～100万円
ダイワハウス	70万円～120万円
セキスイハイム	65万円～120万円

商品ラインナップと構造の特徴

構造体の種類

ヘーベルハウスでは、建物の階数や用途に応じて2つの構造システムを採用しています。

1. ハイパワード制震ALC構造（2階建て）

軽量鉄骨造にALCコンクリート「ヘーベル」を組み合わせた構造で、以下の特徴があります：

制震装置「サイレス」：地震の揺れを低減
ALCコンクリート：優れた断熱・遮音・耐火性能
ハイパワードクロス：効率的な耐震性能

2. 重鉄制震・システムラーメン構造（3階建て以上）

ビル建築に使用されるラーメン構造を住宅用に改良したもので、以下の特徴があります：

大開口・大空間：柱と梁だけで構成される自由な間取り
高い耐震性：重量鉄骨による頑強な構造
都市型3階建て：狭小地でも有効活用可能

主要商品ラインナップ

2階建て住宅

CUBIC（キュービック）

ヘーベルハウスの代表的モデル
シンプルな立方体デザイン
コストパフォーマンスに優れる

FREX（フレックス）

重量鉄骨造による大空間実現
開放的なリビング空間
高い設計自由度

RATIUS|RD（ラティアス）

50周年記念モデル
重鉄×制震の最新技術
上質な空間デザイン

3階建て住宅

FREX3（フレックス3）

重量鉄骨3階建ての定番モデル
都市部の狭小地に対応
ガレージハウスも可能

TERRA CRAFT（テラクラフト）

屋上利用を想定した設計
都市型ライフスタイル提案
縦空間の有効活用

特別仕様・用途別

RAUMFLEX（ラウムフレックス）

最高級プレミアムモデル
邸宅レベルの上質空間
カスタマイズ性の高い設計

二世帯住宅シリーズ

完全分離型から部分共用型まで
プライバシーと絆のバランス
長期居住に配慮した設計

標準仕様と設備

キッチン標準仕様

ヘーベルハウスでは複数メーカーから選択可能で、グレード別に以下のように分類されます：

Hシリーズ（最上級）

LIXIL「リシェル」
Panasonic「L-CLASS」
TOTO「THE CRASSO」
トクラス「Berry」

Fシリーズ（標準）

LIXIL「アレスタ」
Panasonic「LACUCINA」
TOTO「MITTE」
トクラス「Bb」

共通標準装備

浄水器一体型水栓
人造大理石ワークトップ
ソフトクローズ機能付き収納

お風呂標準仕様

選択可能メーカー

LIXIL「アライズ」「リノビオV」
TOTO「サザナ」「マンションリモデルバスルーム」
Panasonic「FZ」「MR」

標準装備

魔法びん浴槽（保温機能）
LEDダウンライト
開き戸（引き戸ではない）
手すり設置対応

トイレ・洗面台標準仕様

トイレ

各メーカーのヘーベルハウス限定モデル
節水機能付きタンク付きトイレ
LIXIL製抗菌タイル「サーモタイル」

洗面台

人造大理石洗面ボウル（割れにくい）
三面鏡収納
ヘーベルハウスオリジナル商品

外壁・窓・床材

外壁

ALCコンクリート「ヘーベル」標準装備
一般コンクリートの約10倍の断熱性能
60年以上の耐久性能

窓サッシ

アルゴンガス入りLow-E複層ガラス標準装備
アルミ樹脂複合サッシ
手動シャッター標準（電動はオプション）

床材

突板フローリング（10cm幅）
床下にもヘーベル材使用（調湿効果）
抗ウイルス仕様

換気システム

24時間換気システム標準装備で、以下の機能を提供：

常時一定量の空気循環
フィルターによる外気清浄化
カビ・ダニ発生抑制
シックハウス症候群対策

60年保証とアフターサービス

ロングライフプログラムの概要

ヘーベルハウスは60年間の無料点検を実施し、業界トップクラスの長期保証を提供しています。

保証内容

初期保証（30年間）

構造耐力上主要な部分

基礎、構造躯体
初期保証30年間
最長60年まで延長可能

雨水の侵入を防止する部分

屋根、外壁、開口部
初期保証30年間
最長60年まで延長可能

延長保証の条件

30年経過時のヘーベルハウスによる30年点検を受け、必要なメンテナンス工事を完了することで、さらに10年間の保証延長が可能。以後10年毎に最長60年まで延長できます。

点検スケジュール

無料点検の実施時期

引き渡し1年目
2年目
5年目
以降5年毎に60年目まで

点検内容

基本躯体構造の確認
防水・外装状況の点検
設備機器の動作確認
不具合箇所の早期発見

メンテナンス費用

30年目の集中メンテナンスで約400万円が目安とされていますが、これは以下の工事を含む包括的なメンテナンスです：

30年目メンテナンス内容

外壁全面塗装
屋根防水処理
外壁シーリング交換
ベランダ手摺補修
その他必要箇所の修繕

アフターサービス体制

ヘーベリアンセンター

受付から見積・工事手配・完了確認・代金回収までワンストップで対応
24時間365日のサポート体制
住まいの学習塾開催
専門技師による点検

部材保管システム

数十年後の修繕に備えた部材・部品の保管
廃盤商品の代替部材確保
長期的なメンテナンス対応

メリット・デメリット

ヘーベルハウスの主なメリット

1. 卓越した耐震・耐火性能

1995年の阪神・淡路大震災でも全半壊ゼロの実績を誇り、以下の特徴があります：

制震装置「サイレス」：地震の揺れを効果的に吸収
重量鉄骨構造：高い構造強度
ALCコンクリート：優れた耐火性能

2. 優れた断熱・遮音性能

断熱性能

一般コンクリートの約10倍の断熱性
結露の発生防止
冷暖房効率の向上

遮音性能

外部騒音の大幅カット
プライバシーの確保
快適な居住環境

3. 60年間の長期保証

業界最長クラスの保証期間
定期点検による早期不具合発見
専門技師による確実なメンテナンス

4. 都市部での設計力

住環境シミュレーションシステム「ARIOS」により、以下が可能：

日照・通風の正確な予測
近隣建物の影響を考慮した設計
部屋毎の室温計算
狭小地での最適な間取り提案

5. 高い資産価値

ストックヘーベルハウス（中古流通）システム
長期間の価値維持
売却時の有利な条件

ヘーベルハウスの主なデメリット

1. 高い初期費用

坪単価の高さ

平均坪単価80万円～120万円
大手ハウスメーカー中でも最高価格帯
総建築費4,000万円以上になることが多い

値引きの限界

大きな値引きは期待できない
オプションサービスでの対応が中心
モニター価格や社員割引以外の大幅値引きは稀

2. 設計・デザインの制約

外壁材の固定

ヘーベル板以外の外壁材は選択不可
ガルバリウムやタイル希望者には不適
デザインの幅に限界

間取りの制約

規格化された部材による設計制限
軽量鉄骨造では大空間が困難
ブレース位置による間取り制約

3. 断熱性能への懸念

高気密住宅と比較すると断熱性で劣る場合
最新の高断熱住宅基準には及ばない可能性
エアコン効率に影響する場合

4. 営業エリアの限定

都市部中心の展開で地方では建築不可
寒冷地での営業なし
地域限定によるサービス制約

5. メンテナンス費用

30年目に400万円程度の集中メンテナンス
他社と比較してメンテナンス費用が高額
長期的な維持費用の考慮が必要

口コミ・評判

良い口コミ・評判

耐震性・安全性について

安全性能は5.3点と高得点で、地震の揺れに強い構造体が評価されており、実際の利用者からも高い評価を得ています。

実際の口コミ

“地震が来ても安心して住めます。近所の家が揺れているのに、うちはほとんど揺れを感じませんでした。”

“東日本大震災の時も全く問題なく、ヘーベルハウスにして良かったと実感しました。”

アフターサービスについて

点検サポートも丁寧で、メンテナンスも無料で対応してくれるという評価が多数寄せられています。

実際の口コミ

“1、2、5年点検まで、クロス剥がれや開けにくい戸など、無料で修理してくれました。”

“アフターサポートの対応力と早さに感心しました。翌日には修理していただけました。”

長期保証について

60年くらい住み続けられるので、40歳で買ったとしても100歳まで持ちますとして、長期的なコストパフォーマンスを評価する声があります。

悪い口コミ・評判

価格の高さについて

価格は高めですが、その分、安心・快適・遊び心、すべてを叶える満足度の高い住まいを実現できる一方で、価格に対する不満も多く見られます。

実際の口コミ

“ブランドが強いので、それなりの価格帯になること。ローンを組むとなると長期的だし、金利面では負担になる。”

“価格が高い、この1つだけです。”

“他のメーカーよりも高め。”

設計の自由度について

設計力に関しては4.4点と他の項目と比べてやや低い結果となっており、設計面での制約を指摘する声があります。

実際の口コミ

“設計の自由度は、積水が上でへーベルには不満がある。”

“内装については標準パターンはノーグッドだと思います。おかげでいろいろとオプションをつけて高額になってしまった。”

営業手法について

キャンペーンをちらつかせて、１ヶ月程度の短期間で請負契約を結ばせようとする営業手法への批判もあります。

向いている人・向いていない人

ヘーベルハウスが向いている人

1. 安全性を最優先する人

地震や災害に対する不安が強い
家族の安全を何より重視
長期間安心して住み続けたい

2. 都市部での住宅建築を計画している人

狭小地での建築を検討
3階建て住宅を希望
ガレージハウスを希望

3. 長期的な資産価値を重視する人

住宅を資産として考えている
将来の売却も視野に入れている
メンテナンス体制を重視

4. 予算に余裕がある人

初期投資額が高くても問題ない
総合的なコストパフォーマンスを重視
品質に対してはコストを惜しまない

ヘーベルハウスが向いていない人

1. 初期費用を抑えたい人

坪単価70万円以下を希望
総建築費3,000万円以下を目標
コストパフォーマンスを最重視

2. デザインの自由度を重視する人

オリジナリティの高いデザインを希望
外壁材を自由に選択したい
完全自由設計を求める

3. 高断熱・高気密住宅を希望する人

最新の省エネ基準を重視
ZEH基準以上の性能を求める
光熱費の大幅削減を目標

4. 地方での建築を予定している人

営業エリア外での建築希望
寒冷地での建築を検討
地域密着型工務店を希望

他社との比較

積水ハウスとの比較

項目	ヘーベルハウス	積水ハウス
坪単価	93.5万円～101万円	80万円～120万円
構造	鉄骨造のみ	鉄骨造・木造対応
保証期間	最長60年	最長30年
特徴	ALCコンクリート外壁	ダイナミックフレーム

パナソニックホームズとの比較

項目	ヘーベルハウス	パナソニックホームズ
坪単価	93.5万円～101万円	70万円～100万円
保証	60年間無料点検	35年間無料点検
特徴	都市型3階建て強い	全館空調システム
断熱性	標準的	高断熱仕様

ダイワハウスとの比較

項目	ヘーベルハウス	ダイワハウス
坪単価	93.5万円～101万円	70万円～120万円
対応エリア	都市部限定	全国対応
商品数	限定的	豊富
特徴	ロングライフ	xevoシリーズ

ヘーベルハウス建築時の注意点

契約前の確認事項

1. 詳細な見積もりの確認

本体価格以外の費用を詳細に確認
付帯工事費用の内訳把握
オプション費用の事前確認

2. メンテナンス計画の理解

30年目メンテナンス費用の確認
保証継続の条件理解
長期的な維持費用の計画

3. 設計制約の把握

希望する間取りの実現可能性
外壁デザインの制限理解
構造上の制約事項確認

建築中の注意点

1. 定期的な現場確認

工事進捗の確認
仕様通りの施工確認
不明点の早期解決

2. 変更事項の記録

設計変更の書面確認
追加費用の事前承認
工期への影響確認

引き渡し後の注意点

1. 定期点検の受診

無料点検の確実な実施
不具合の早期発見・報告
メンテナンス記録の保管

2. 保証継続の条件遵守

必要なメンテナンスの実施
ヘーベルハウス指定業者での工事
保証書類の適切な保管

まとめ

ヘーベルハウスは、50年以上の歴史を持つ信頼性の高いハウスメーカーです。独自のALCコンクリート「ヘーベル」を使用した高耐久住宅と、業界最長クラスの60年保証により、長期間安心して住み続けられる住宅を提供しています。

ヘーベルハウスの総合評価

優れている点

卓越した耐震・耐火性能
60年間の長期保証
充実したアフターサービス
都市部での設計力
高い資産価値の維持

課題となる点

高い初期費用
設計・デザインの制約
営業エリアの限定
高額なメンテナンス費用

最終的な判断基準

ヘーベルハウスを選ぶべきかどうかは、以下の点を総合的に判断することが重要です：

予算の許容範囲：坪単価100万円前後の予算確保が可能か
価値観の優先順位：安全性・耐久性を最優先とするか
立地条件：都市部での建築予定か
長期的視点：30年、60年という長期スパンでの住宅取得か