はじめに:富士住建の坪単価について知っておくべきこと
注文住宅を検討している方にとって、坪単価は重要な判断基準の一つです。富士住建の平均坪単価は約61.5万円から67.7万円となっており、中堅ハウスメーカーとして位置づけられます。
この記事では、富士住建の坪単価について、実際に建てた方の声や最新のデータを基に詳しく解説します。
富士住建とは?「完全フル装備の家」の特徴
会社概要
富士住建は1987年に設立された、埼玉県上尾市に本社を構えるハウスメーカーです。関東1都6県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、群馬県、栃木県)を対象エリアとして営業しています。
「完全フル装備の家」の魅力
富士住建の最大の特徴は「完全フル装備の家」で、100点以上の設備が標準装備されており、エアコン、カーテン、全室照明、太陽光発電なども含まれています。
完全フル装備の家に含まれる主な設備:
- エアコン(6帖用×5台)
- LED照明(全室)
- カーテン
- 太陽光発電システム
- 高性能システムキッチン
- 浴室暖房乾燥機
- 24時間換気システム
- 樹脂サッシ(全窓)
富士住建の坪単価を詳しく分析
最新の坪単価データ
複数の調査機関のデータを総合すると、富士住建の坪単価は以下のようになっています:
調査機関 | 平均坪単価 | 価格帯 |
---|---|---|
HOME4U「家づくりのとびら」 | 67.7万円 | 47万円~85万円 |
おうちのいろは | 61.5万円 | – |
おうちパレット | 53.2万円 | 40万円~65万円 |
THE ROOM TOUR | – | 50万円~103万円 |
坪数別の建築費用目安
富士住建で家を建てる場合の坪数ごとの建築費用を、坪単価53.2万円を基準に計算すると以下のようになります:
坪数 | 建築費用の目安 |
---|---|
25坪 | 1,330万円~2,575万円 |
30坪 | 1,596万円~3,090万円 |
35坪 | 1,862万円~3,605万円 |
40坪 | 2,128万円~4,120万円 |
45坪 | 2,394万円~4,635万円 |
50坪 | 2,660万円~5,150万円 |
※上記金額にオプション費用100万円~200万円程度をプラスした額が実際の建築費用となることが多いです。
他社との坪単価比較
大手ハウスメーカーとの坪単価比較を見ると、富士住建のコストパフォーマンスの良さが分かります:
ハウスメーカー | 坪単価 |
---|---|
富士住建 | 40万円~65万円 |
積水ハウス | 50万円~80万円 |
住友林業 | 70万円~90万円 |
一条工務店 | 45万円~80万円 |
セキスイハイム | 60万円~80万円 |
タマホーム | 35万円~50万円 |
富士住建の商品別坪単価
完全フル装備の家
完全フル装備の家の坪単価は、49.1万円〜59.6万円程度となっています。
特徴:
- 100以上の設備が標準装備
- 完全自由設計
- 高品質な設備、省エネ、防犯システム
HIRARI(平屋)
HIRARI(平屋)の坪単価は55万円〜65万円程度となっています。
特徴:
- 完全フル装備の平屋バージョン
- バリアフリー対応
- 屋根裏部屋の活用が可能
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)
ZEHの坪単価は60万円〜65万円程度となっています。
特徴:
- 完全フル装備の家+太陽光パネル+HEMS
- 高断熱・高気密
- エネルギー自給自足を実現
紀州の風・檜日和
紀州の風・檜日和の坪単価は40万円台~となっています。
特徴:
- 自然素材(紀州檜)にこだわった住宅
- 和風住宅の趣
- 年間限定棟数(檜日和は60棟限定)
実際の建築事例と坪単価
事例1:25坪の想定事例(東京都)
東京都で25坪の土地に、「完全フル装備の家」で家を建てた場合の想定事例:
- 坪数: 25坪
- 構造・間取り: 木造・2階建3LDK
- 総額目安: 2,200万円
- 坪単価: 約88万円
事例2:30坪の想定事例(埼玉県)
埼玉県の30坪の土地に、「HIRARI(平屋)」で家を建てた場合の想定事例:
- 坪数: 30坪
- 構造・間取り: 木造・1階建3SLDK
- 総額目安: 約2,640万円
- 坪単価: 約88万円
事例3:35坪の想定事例(神奈川県)
神奈川県で35坪の土地に、「ZEH」で家を建てた場合の想定事例:
- 坪数: 35坪
- 構造・間取り: 木造2階建て4LDK
- 総額目安: 約3,080万円
- 坪単価: 約88万円
富士住建の性能と品質
耐震性能
富士住建の住宅は標準仕様で「FJKオリジナル制振壁」が設置されています。
FJKオリジナル制振壁の特徴:
- 東京工業大学と共同研究で開発
- 粘弾性ダンパーと鋼製ダンパーのハイブリッド構造
- 耐震等級3+制振ダンパー搭載
断熱性能
富士住建の住宅は「HEMES」を追加するだけでZEH水準を満たします。
断熱仕様:
- 全窓樹脂サッシとアルゴンガス入りLow-Eペアガラス
- 高性能グラスウール断熱材
- 断熱等級5・6対応
構造の選択肢
富士住建では4種の構造・工法から選択して家を建てられます:
- 檜4寸構造 – 伝統的な木造軸組工法
- J-wood構造 – エンジニアリングウッド使用
- 檜集成構造 – 集成材を使用した高強度構造
- Fパネル構造 – 2×4工法(耐火性が高い)
富士住建の評判と口コミ
アンケート調査結果
実際に富士住建で新築住宅を建てたユーザーの評価は以下の通りです:
項目 | 評価点数 |
---|---|
安全性能 | 4.7点 |
快適性能 | 4.7点 |
外観・内観デザイン | 4.5点 |
間取り | 4.4点 |
アフターサービス・保証 | 4.1点 |
設計力・デザイン | 4.1点 |
営業力 | 4.0点 |
良い評判・口コミ
標準装備の充実 「比較すれば富士住建が一番お得なのはわかると思う。まさかエアコンやカーテンまで付いて来るとは思わなかった」
予算の明確性 「金額が、予算オーバーしなかった。完全フル装備と言うだけあって、基本的な設備は良いし、グレードアップもないので、初めの金額通りだった」
住宅性能の高さ 「思っていたよりも断熱性や防音性も良く、装備の良さに満足しています」
注意点・改善点
アフターフォロー 「保証の内容が薄い」「アフターフォローが薄い」との指摘があります。
担当者の対応 「担当者が頼りなかった」「営業の経験不足を感じた」との意見もあります。
富士住建で建てるメリット・デメリット
メリット
- 標準装備が充実している
- 100種類以上の設備が本体価格に含まれており、追加工事費用が抑えられます
- 価格の透明性
- 最初の見積もりから建築費のズレがあまり発生しません
- 高い住宅性能
- 耐震等級3+制振ダンパー
- ZEH水準の断熱性能
- 完全自由設計
- 自分の要望を反映した完全自由設計で家づくりができます
デメリット
- 対応エリアが限定的
- 関東1都6県のみ
- 標準仕様からの変更が割高
- 標準仕様を変更すると、割高になることがあります
- アフターサービスの充実度
- 最長でも20年とされる保証期間は、他社の60年保証と比較すると短い
- 営業担当者の質にばらつき
- 営業マンの対応にバラつきがあります
富士住建の坪単価を安く抑えるコツ
1. 外観の凹凸を無くす
坪単価を抑えるには、外観の形をシンプルにするのが有効です。複雑な形や凹凸部分が多いと、施工や建材費用が増えて坪単価が高くなります。
2. 延床面積を減らす
延床面積を10㎡(約6畳)減らすだけで、約100万円〜200万円程度のコスト削減が期待できます。
3. 水回りをまとめる
キッチン・トイレ・洗濯室・お風呂場といった水回りの配置をまとめることで、配管の工事費用を抑えることができます。
4. 総2階建てにする
2階建を検討しているなら、「総2階建」にすると、建築費を抑えられます。総2階建にすると、外壁や構造材の凹凸が少ないため、コストカットが可能です。
5. 屋根の形状をシンプルにする
屋根の形状をシンプルにすることでもコストダウンが可能です。
富士住建がおすすめな人・おすすめしない人
おすすめな人
- 標準装備だけで生活を始めたい人
- 追加工事の心配をしたくない人
- 予算を明確にしたい人
- 関東エリアで家を建てたい人
- 高性能住宅をコストパフォーマンス良く建てたい人
おすすめしない人
- 関東エリア以外で建てたい人
- 標準仕様を大幅に変更したい人
- モデルハウスで実物を確認してから決めたい人
- 長期保証を重視する人
富士住建で後悔しないための注意点
1. 複数社との比較検討
注文住宅を建てる際に依頼するハウスメーカーや工務店は全国で1000社以上存在します。複数社を比較検討することが重要です。
2. 営業担当者との相性確認
営業マンの仕事ぶりや対応をチェックしてみましょう。いくつかのハウスメーカーの営業マンを比べてみるのもよいです。
3. 標準仕様の確認
何が標準装備で何がオプションなのかを事前にしっかり確認しておきましょう。
4. 保証・アフターサービスの内容確認
保証期間や定期点検の内容について詳しく確認しておくことが大切です。
坪単価について知っておくべき基礎知識
坪単価の計算方法
坪単価とは、建物の本体価格から建てた家の総床面積で割って出した金額のことを言います。
計算式: 坪単価 = 建物本体価格 ÷ 延床面積(坪)
坪単価に含まれるもの・含まれないもの
含まれるもの:
- 建物本体の工事費用
- 基本的な設備費用
含まれないもの:
- 付帯工事費(地盤改良、外構工事など)
- 諸費用(登記費用、保険料など)
- 土地代
坪単価を見る際の注意点
坪単価は家の本体価格から家の面積を割った1坪あたりの費用と表現されますが、この家の面積については定義があいまいとなっています。
確認すべきポイント:
- 延床面積での計算か施工面積での計算か
- どの工事費用が含まれているか
- オプション費用の有無
まとめ:富士住建の坪単価は本当にお得なのか
富士住建の坪単価の特徴
- 平均坪単価: 約53万円~68万円(調査機関により差異あり)
- 価格帯: 40万円~103万円と幅広い
- 競合比較: 中堅~ローコストハウスメーカーの中では標準的
- コスパ: 標準装備の充実度を考慮すると優秀
総合評価
富士住建の坪単価は、標準装備の充実度を考慮すると非常にコストパフォーマンスが高いと言えます。他社でオプション扱いとなる設備が標準で付いているため、最終的な総額で比較すると大手ハウスメーカーよりも安く建てられる可能性が高いです。
ただし、以下の点には注意が必要です:
- 対応エリアが関東1都6県に限定
- 標準仕様からの変更は割高
- アフターサービスの充実度に課題
最終的な判断のために
富士住建を検討する際は、以下の手順を踏むことをおすすめします:
- 複数社からの見積もり取得
- ショールームでの実物確認
- 営業担当者との相性確認
- 保証・アフターサービス内容の詳細確認
- 近隣の建築実例見学
注文住宅は人生で最も大きな買い物の一つです。坪単価だけでなく、総合的な満足度を考慮して慎重に検討することが大切です。
※本記事の坪単価や費用は2025年6月時点の情報に基づいています。実際の価格は変動する可能性がありますので、最新の情報については富士住建に直接お問い合わせください。
※建築費用は地域、仕様、オプション等により大きく変動します。必ず複数社での比較検討を行い、詳細な見積もりを取得してください。