はじめに
関西地方で注文住宅をお考えの方なら、一度は耳にしたことがあるであろう「フジ住宅」。大阪府における住宅着工数で17年連続No.1という圧倒的な実績を誇る地域密着型ハウスメーカーです。
しかし、コスパは優れているのか、悪い評判が無いか気になりますよね。この記事では、フジ住宅で注文住宅を建てることを検討している方に向けて、坪単価から評判、独自の「炭の家」システムまで、知っておくべき情報を包括的にお伝えします。
1. フジ住宅とは？会社概要と特徴
会社概要
フジ住宅株式会社は、創業は1973年で40年以上の歴史があり、神戸阪神間～大阪～和歌山に営業エリアを展開しています。東京証券取引所プライム市場に上場する大手住宅メーカーです。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 会社名 | フジ住宅株式会社 |
| 設立年 | 1973年 |
| 本社所在地 | 大阪府岸和田市土生町1丁目4番23号 |
| 上場 | 東京証券取引所プライム市場 |
| 主要事業エリア | 大阪府、兵庫県、和歌山県 |
| 住宅着工数実績 | 大阪府下17年連続No.1（2005～2021年） |
事業領域
「住まいのトータルクリエーター」をキャッチフレーズとして、近畿地方で建売、分譲マンション販売、注文住宅、中古住宅再販、土地活用、賃貸及び管理など不動産事業を幅広く手がけています。
2. フジ住宅の坪単価・費用相場
基本的な坪単価
フジ住宅の注文住宅における坪単価は、調査結果によると以下の範囲となっています：
坪単価：50万円～90万円 平均坪単価：約69万円
| 坪数 | 建築費用の目安 |
|---|---|
| 25坪 | 1,250万円～2,250万円 |
| 30坪 | 1,500万円～2,700万円 |
| 35坪 | 1,750万円～3,150万円 |
| 40坪 | 2,000万円～3,600万円 |
全体的に見ると、フジ住宅は他社と比べても費用の水準は中程度です。
実際の建築費用事例
2018年にフジ住宅で建てました。建物のみで108㎡総額で2000万円強（坪単価63万円程度）となり、今でも大変気に入って住んでいます。
他社との比較
フジ住宅とアイ工務店では、平均坪単価の差が約0.1万円とそれほど変わりがないことがわかります。一方で平均建築費用は約400万円の差があり、フジ住宅の方がより手頃な価格で建築できる傾向があります。
3. フジ住宅の代表的な商品ラインナップ
3.1 炭の家/ピュアエア
フジ住宅の看板商品である「炭の家/ピュアエア」は、健康住宅のパイオニア的存在です。
基本システム
「フジ住宅の炭の家/ピュアエア」では、屋外の空気をファンで強制的に取り入れ、「微小粒子用フィルター」で微小な有害物質をブロック。さらに「炭」を床下に敷き詰め、そこに空気を通すという二重の対策を行うことで、クリーンな空気を各部屋に供給。
炭の効果とメカニズム
竹炭1ｇあたり約700平方メートルもあるといわれます。たった1ｇでその面積は、なんとテニスコート1面分にもなるということです。その構造により、空気中の分子を吸着し嫌なニオイを抑え、外からの化学物質や花粉などの有害物質を吸着して空気を清浄化、また湿気どにも調湿効果を発揮し、カビの発生を抑えることもできます。
実証された効果
PM2.5の除去効果 屋外は37μｇ/m2であるのに対し、炭の家の仕組みを取り入れた戸建て住宅及び分譲マンションはその数値が、8μｇ/m2であった。この数値は、環境省の基準値35μｇ/m2をはるかに下回り、病院のクリーンルームと同等の空気環境であることを示している。
ウイルス除去効果 インフルエンザ対策として、ウイルスを「フジ住宅の炭の家」がどれだけ除去するのかを示した実験結果をみると、1時間後にウイルスを約99％減少させるということが分かります。
3.2 S・O・U（そう）
「S・O・U」はフジ住宅のセレクト住宅であり、外装や内装、間取りなどの組み合わせは2,000パターンを超えます。
フジ住宅のS・O・Uは、「25坪1,330万円〜」と比較的リーズナブルな価格を実現したコストパフォーマンスの優れた商品です。
4. フジ住宅の住宅性能・品質
耐震性能
近年は耐震性でも最高ランクの等級3を獲得するなど、住宅の性能にも力を入れています。
独自の「構造設計」×「制震システム」で、耐震等級は最高レベルの「3」。安心な暮らしを実現します。
建築工法
フジ住宅の家は、日本の伝統的な木造軸組工法にパネル式工法を組み合わせた「FX-WOOD工法」となっています。
保証・アフターサービス
フジ住宅で建てたマイホームは、地盤保証第三者機関のジャパンホームシールドの地盤保証システムにより、引き渡し後から20年間、最高5,000万円が保障されます。
定期点検スケジュール
- 3ヵ月目点検
- 1年目点検
- 2年目点検
- 5年目点検
- 10年目点検
5. フジ住宅の評判・口コミ
良い評判・口コミ
顧客満足度での高評価
フジ住宅は、2023年のオリコン顧客満足度調査において2部門（建売住宅ビルダー近畿部門・建売住宅ビルダー大阪府部門）で1位を獲得しており、顧客満足度に定評があります。
営業担当者への評価
営業マンや大工だけでなく受付の人も感じが良かった（大阪府・50代・女性）
私の担当者は非常に丁寧かつスピーディーで、マンションにするか戸建てにするか悩んでいるときには、参考資料をわざわざ自宅のポストに投函してくださったり、実際に現地に行き、戸建ての周辺写真を撮ってきてくれたり、非常に対応が良かったです。
炭の家への満足度
家で焼き肉をした次の日には匂いがきれいに消えていて、初めて体感した時はとても感動しました。
フジ住宅での住宅購入者へのアンケートによると「炭の家」で空気のキレイさを実感した方が92％にものぼるそうです。
特別なサービス
フジ住宅さんからパンが届きました。家を購入してから毎年こうやってパンを届けてくれる。売りっぱなしでは無くてその後も気をかけて頂けてることが本当ありがたいです。
注意すべき評判・口コミ
営業手法に関する懸念
とりあえず家を売るのに必死すぎる！一生に一度の買い物やのに、やたらと契約に迫ってこられた
自由度の制限
施主支給不可！標準仕様から何かを変えたければ壊して造り変えろってか？注文住宅の意味はどこに？フジ住宅で建てるなら建売でいいやん！
注文住宅ですが施主支給はできず、選択肢は限られるなど、自由度はそんなになかったですが、優柔不断な私にはサクサク進められて良かったかなと思います。
オプション費用の高さ
とにかくオプション料金が割高なため、最初に提示された見積り額と最終的な支払い金額の差に開きが生じやすいため、こだわりが強く、オプションが増えそうな場合は注意が必要です。
6. フジ住宅のメリット・デメリット
メリット
1. 地域密着の強み
地域密着型の営業スタイルによって、顧客一人ひとりに寄り添ったきめ細やかな対応を提供しています。
大阪府の住宅着工等数総合ランキングで2年連続1位になるなど、近畿圏での実績が高いのは大きな強みですね。
2. 健康住宅としての価値
「健康なくらしづくりの家」というコンセプトで「炭の家/ピュアエア」を販売しています。
アレルギー体質の方や、小さなお子さんを持つ家庭でも安心して暮らせる住環境を提供してくれます。
3. コストパフォーマンス
健康住宅「炭の家/ピュアエア」や制震ダンパーの標準装備、高強度な「FX-WOOD工法」の採用など、住宅性能にこだわりながらも、50万円～70万円という坪単価を実現しています。
デメリット
1. 施工エリアの限定
フジ住宅は近畿地方の施工に特化した住宅メーカーです。他エリアでは実際に建てた家を見ることができず、モデルハウスも近畿地方にしかありません。
2. 選択肢の制限
注文住宅であるものの基本的にセレクト住宅であり、建築素材の選択肢が少なくなっています。
3. 担当者の質にバラつき
ハウスメーカーには担当者が多くおり、質の高い営業マンもいれば低い人もいます。フジ住宅では良い評価と悪い評価が共存しており、質にややバラツキがあることがわかります。
7. フジ住宅をおすすめする人・しない人
おすすめする人
1. 健康志向の方
「炭の家/ピュアエア」は花粉や浮遊ウィルス、黄砂、PM2.5などの有害物質を除去してくれます。アレルギーのある家族にとっては安心できるので、健康志向の人に向いています。
2. 近畿地方で家を建てたい方
地元での施工実績が多い会社のほうが安心と考える、エリア内の人に向いています。
3. コストパフォーマンスを重視する方
良かった点としては大手ハウスメーカーよりも価格が安く、限られた予算の中で満足できる家ができたことがあげられます。
おすすめしない人
1. 高度な自由設計を求める方
注文住宅といっても基本的にはセレクト住宅のため、完全自由設計を求める方には物足りない可能性があります。
2. 近畿地方以外で建築したい方
施工エリアが限定されているため、対象エリア外の方は利用できません。
3. 営業手法が合わない方
一部口コミで指摘されている積極的な営業手法が苦手な方には向かない場合があります。
8. 費用を抑えるコツと注意点
費用を抑えるポイント
1. 標準仕様の活用
フジ住宅は、特に強いこだわりがなく、ほぼ標準内で仕様を選択されていくのであれば、かなり坪単価が抑えられるように思います。
2. 事前の情報収集
フジ住宅で建てる場合の肝は、追加料金を払ってでも納得がいく間取り、設備、オプション設定を考えることだと思います。事前に間取り設備などの勉強もお忘れなく。
注意すべき費用
1. オプション費用
オプション料金が割高になる傾向があるため、最初の見積もりから大幅に上がる可能性があります。
2. 土地代
建築費以外に、土地代や諸経費なども含めた総費用で検討することが重要です。
9. 他社との比較
同価格帯のハウスメーカーとの比較
| ハウスメーカー | 坪単価目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| フジ住宅 | 50万円～90万円 | 炭の家システム、地域密着 |
| アイ工務店 | 50万円～70万円 | コストパフォーマンス重視 |
| 桧家住宅 | 60万円～100万円 | 高断熱・高気密 |
フジ住宅の坪単価は50万円から70万円程度で、桧家住宅の坪単価は約87万円です。したがって、フジ住宅を選択することで、建築費用を抑えることができるでしょう。
10. まとめ
フジ住宅は、関西地方における地域密着型ハウスメーカーとして、特に「炭の家/ピュアエア」による健康住宅の提供に特化した会社です。
主なポイント
◆ 強み
- 独自の炭システムによる健康住宅
- 地域密着による豊富な実績
- 適正な価格設定
◆ 注意点
- 施工エリアが近畿地方に限定
- 選択肢の制限
- オプション費用の高さ
◆ 適している人
- 健康志向で空気環境を重視する方
- 近畿地方で建築予定の方
- コストパフォーマンスを重視する方
最終的な判断のために
家づくりは人生における大きなイベントです。後悔しない家づくりをするためには、情報収集をしっかりと行い、納得いくまで検討することが大切です。
フジ住宅を検討する際は、まず展示場での実体験や、他社との比較検討を行い、自分の価値観や予算に最も適したハウスメーカーを選択することをおすすめします。
この記事が、あなたの理想の住まいづくりの参考になれば幸いです。
